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コーヒーは「苦いもの」だと思っていませんか?
それは昔の私です。でも、今は違います。完全に酸味派、いや、酸味教とも言えます。一口飲めば、レモンやオレンジかと錯覚するような柑橘のきらめき。 口の中に広がるのは、苦味とは違う、“光”のような味なのです。
このブログは、紆余曲折を経て酸味系コーヒー沼にハマったミカド珈琲社歴〇十年の私が、「酸味のあるコーヒーは、ほんとうに美味しいんです!」と、あふれんばかりの酸味愛を全力で語りますので、是非最後までお付き合い下さい。
・1.苦いコーヒーが苦手だった私の「小さな革命」体験談 ▼
・2.コーヒーの味がわからなかった私が、味の違いを感じられるようになった理由 ▼
・3.酸味のあるコーヒーに目覚めた私が“酸味マニア”になった理由 ▼
・4.同じ“酸味”でも、その違いに気づいた私 ▼
・5.今私がハマっている酸味、それはコスタリカ ▼
・6.酸味マニアの私が本気で推したい、ミカド珈琲の酸味コーヒーたち ▼

1. 苦いコーヒーが苦手だった私の「小さな革命」体験談
私のコーヒーとの出会いは、小学生の頃。毎朝、トーストを紅茶に浸して食べるのが日課だった私にとって、コーヒーは未知の存在でした。ある日、親が美味しそうに飲んでいた熱々のコーヒーを一口もらってみたものの──「苦すぎる…!」で終了。今思えば、ミルクや砂糖が入っていても、あの苦味は子どもの味覚にはハードルが高かったのでしょう。それ以来、紅茶が私の暮らしにしっくりと馴染み、コーヒーとはしばらく距離を置いていました。
転機が訪れたのは、20歳の頃。アメリカ映画で「ドーナツをコーヒーに浸して食べる」というシーンを見た私は、通い詰めていたドーナツショップでふと思い出し、恐る恐る人生初の“本気のコーヒー”を注文。浸す勇気はなかったものの、ドーナツの甘さとコーヒーの苦味のバランスが驚くほど絶妙で、まるで“ドーナツを美味しく食べるための飲み物”のようでした。
そうして私は、コーヒーを「主役の飲み物」ではなく、「お菓子を引き立てる脇役」として受け入れる──そんな小さな革命を体験したのです。

2. コーヒーの味がわからなかった私が、味の違いを感じられるようになった理由
その後、銘柄別のコーヒー豆や様々なコーヒーカップがずらっと並ぶコーヒー専門店にチャレンジしたり、友人にもらった「ベトナムコーヒー」を飲んでみたり、旅行先のタイで食後のコーヒーに遭遇しましたが、どれもとても苦いか、とても酸っぱいかの惨敗でした。
そんな私がミカド珈琲に入社し、プロの焙煎士たちが焼いた自慢の豆を飲んでも、「全部、苦いです…」という心の声は消えません。 正直まだ、味の違いがわからなかったのです。味が違うことをはっきりと認識したキッカケは、ハンドドリップをしっかり習得したときです。毎朝ハンドドリップで仕事始めのコーヒーを淹れて3年が過ぎたころ、ようやく美味しく淹れられるようになってきて、気づきました。同じ銘柄の豆を他の人が淹れると、人によって味に深みが出たり、苦味が濃くなったりするのに、不思議なことに私が淹れると、軽い味わいになるのです。
そうです、私は知らず知らずのうちに、苦くならない淹れ方をしていたのです。このことがコーヒーの味の違いがわかるようになったターニングポイントです。

3. 酸味のあるコーヒーに目覚めた私が“酸味マニア”になった理由
そして日々繰り返すハンドドリップで、軽くならないように深煎りのコーヒーはしっかり深く、厚みのある味わいを抽出できるようになり、ミカド珈琲のスターブレンドやフレンチローストの美味しさも理解し始めました。が、中煎りのコーヒーのレギュラーブレンドやモカブレンドの柔らかく、口あたりのよいまろやかな味に重なるフルーティな酸味の美味しさにも気づきはじめ、あっというまに酸味のトリコになりました。
グアテマラ・コロンビア・モカなど、それぞれに個性のある酸味はとても上質で、口腔から鼻に抜ける香りと、舌に感じてから飲んだあとまでゆっくり変化する味わいの層を、より豊かにするエッセンスのような役割を感じます。
ただ、まわりを見ていると、酸味のあるコーヒーはあまり人気がないようで、どちらかというと、苦い方が好き、という人が圧倒的多数でした。

4. 同じ“酸味”でも、その違いに気づいた私

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コーヒーの酸味って、実はひとくちに「酸味」といってもいろんな種類があるんですよね。飲み始めの頃は、ちょっと酸っぱいだけで「え、これ失敗かも…」なんて思っていたけど、いろんな豆に出会う中でその考えが変わってきました。
例えば、モカやグァテマラのような、果実みたいにふんわりと広がる酸味は、冷めても美味しくて、香りもどこか明るくて…私はむしろ好きになってしまいました。でも、時間が経ちすぎた豆や質の落ちた豆だと、ちょっとツンとした刺激やえぐみのようなものを感じることがあって、それは「すえた酸っぱさ」って感じなんです。私が「すえた酸っぱさを感じるコーヒーの酸味=まずい」と思っていたのは、同じ“酸味”という言葉からくる誤解だったんだなと気づきました。
この違いがわかるようになってからは、酸味のあるコーヒーを飲むのが一種の冒険みたいで楽しくなってきました。産地ごとの表情や焙煎の深さでもずいぶん印象が変わるし、今日はどんな酸味と出会えるんだろう?ってワクワクします。

5. 今私がハマっている酸味、それはコスタリカ

そして今、私が心から愛しているのがコスタリカのコーヒーです。レモンのようなクリアな酸味と、はちみつのような優しい甘み。飲んだ瞬間からふわっと広がる香りと、心地よい酸味のバランスは、まさに酸味派の希望の星です。最近では他社さんでも人気が高まり、コスタリカの豆を取り扱うところが増えてきました。
ミカド珈琲では、夏季限定の「コールドブリューコスタリカ」のみ販売していますが、いつかオンラインストアでも、新たなラインナップとしてコスタリカを主役にしたい──そんな密かな野望を抱いています。お楽しみに!

6. 酸味マニアの私が本気で推したい、ミカド珈琲の酸味コーヒーたち

酸味のあるコーヒーは、 決して「すっぱい失敗作」ではありません。 それは、光を含んだような味、果実のような余韻、 私にとっては、それが“おいしい”の ど真ん中なんです。もしあなたが、「コーヒーは苦くてちょっと苦手…」と思っているなら、 一度、酸味のあるコーヒーを試してみてください。
今まで知らなかった酸味のあるコーヒーの世界を知ってしまったら、きっと誰かに伝えたくなります。是非、新たなコーヒーライフをお楽しみくださいね。
この記事を書いた人:ミカド珈琲オンラインストアスタッフ:C.Sさん
・J.C.Q.A認定コーヒーインストラクター2級 https://kentei.jcqa.org/
監修:ミカド珈琲スタッフ M.Tさん
・J.C.Q.A認定コーヒーインストラクター1級 https://kentei.jcqa.org/
・SCJA認定アドバンスド・コーヒーマイスター https://scaj.org/meister/about-meister
・コロンビアFNC認定 マイルドコーヒー鑑定士 https://cafedecolombia.jp/mild-coffee-specialist/